自転車を出すのに戸惑っていたら、親切なスペイン人が声をかけてくれた。
オテツダイ シマショウカ?
いけます。いけます。大丈夫です。と焦ってガチャガチャしていたけど結局手伝っていただいた。
ありがとう。すみません。
をひたすら連呼していたら、背を向けたまま
オキヲツケテ。オヤスミナサイ。
と去っていった。
スペイン人だという根拠はないけれど、スペイン料理屋さんの店員さんだったからきっとスペイン人に違いない。
カタコトの日本語を話す外国人を見ると、必ず思い出す紳士がいる。
あれはたぶん、神戸の異人館が並ぶ坂道だった。
日も落ちて暗くなったころ、一人のイギリス人紳士がたたずんでいた。
赤いチェックのブレザーと山高帽。ステッキは持っていたかな…。きっとイギリス人に違いない。
なにやら携帯電話で話していて、聞こえてきたのはカタコトの日本語だった。
エット…。ソシタラ…。ワタシノ、200マンエンハ ドウナリマスカ?
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