沖縄そば「さくら屋」を受け継ぐ「首里そば」-向田邦子「う」

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街を車で走ると「沖縄そば」の看板が目につく。その中の一軒「さくら屋」へゆく。首里の住宅街にあるしもた家風の小ぢんまりした店だが、珍しく手打ちである。

【『沖縄胃袋旅行』(女の人差し指/文春文庫)より引用】

向田邦子が沖縄旅行で立ち寄ったという「さくら屋」は、沖縄では伝説のそば屋だったという。しかし残念ながら「さくら屋」は1993年に閉店。

ただ、調べてみると「さくら屋」の技術を受け継いだ沖縄そば屋があることがわかった。それが那覇市首里の「首里そば」。

そうとわかれば善は急げ。沖縄旅行のついでに早速食べに行った。

住宅街の中にある「首里そば」

ゆいレール「首里駅」を降りて龍潭通りへ入ると、右手に首里城へ続く公園の入り口が見える。

「首里そば」へは首里城公園「上の毛」門手前から路地に入る

「首里そば」へは首里城公園「上の毛」門手前から路地に入る

「上の毛」入り口手前を右に曲がり、住宅街をしばらく歩く。

途中、道を間違っているのではないかと不安になるが、どこからともなく漂うだしの香りを頼りに進んでいると、突然「首里そば」が現れた。

「首里そば」(那覇市首里赤田)

「首里そば」

「さくら屋」直伝の沖縄そば

そしてこれが「さくら屋」直伝の沖縄そば。

「さくら屋」の技術を受けついた「首里そば」

「さくら屋」の技術を受けついた「首里そば」

出汁はとてもあっさりで上品な印象。そして何よりも、麺のものすごい存在感。

それまで食べてきた沖縄そばの麺は、どちらかと言うとインスタント麺『どん兵衛』を硬くしたイメージだが、「首里そば」の麺はコシ強く食べ応えが半端ない。麺をじっくり楽しむ沖縄そばというのだろうか…。とにかく初めての感覚だった。

サイズは大中小とあるが、普段選ぶよりひとつ小さいサイズをおすすめする。それほどボリューム満点の一杯だった。

向田邦子は「さくら屋」の麺を”生のカンピョウというか、ひもかわ風。”と書いていた。初めて食べる沖縄そばは、おいしいかどうかというよりも、珍しさが舌の上で勝っていたのではないかと、この一文を読んだときに思った。

初めての一杯はおいしいのかどうかよくわからないのに、どういうわけか何度も食べたくなるのが沖縄そば。心に染みる不思議な食べ物だなといつも思う。

ちなみに「首里そば」の味は公式サイトから取り寄せできるらしい。

首里そば【公式サイト】

首里そばの口コミ【食べログ】

※この記事は、過去に運営していたブログ「向田邦子「う」」より移行させました。管理人及び筆者は同一人物です。

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