高校の時だったと思うけど、週に一度英単語の小テストがあった。
テストの結果が60点以下だと、出題された単語を全て何十回も繰り返し書かされるという『バツ書き』の刑に処せられた。
先生は「これはバツ書き違うでぇ」と言っていたけれど、あれは『罰』以外のなにものでもないと今でも思う。
と、無意識のうちに恨み節のような文章になってしまったのも、毎週小指の横っ腹を真っ黒にしながら『バツ書き』にひいひい言わされていた記憶が、まだ鮮やかに残っているからだと思う。
どうも頭が固い人間のようで、初めて出会った言葉はもちろん今まで何気なく使っていたけれど、実際どこから来たのかよく知らずに使っていた言葉に気づいてしまうと、その言葉を漢字や英単語やに変換して根っこまで見ないと自分の中に入ってこない。
煮込みの浅い牛スジをいつまでもくっちゃくっちゃしながらなかなか飲み込めずにいるようで、気持ちが悪くてしかたがないのだ。
とたいそうなこと言うてるけど、ただ単に、
ランチョマット→luncheon mat→lunch on mat??
ガンバレ→頑張れ→眼張れ
程度のレベルが平気で引っ掛かったりしている。
先日100円均一で手に取ったお皿の裏に『チャイナボーン』と書かれたラベルが貼ってあった。
チャイナボーン?→China born?→中国産?
と変換し、このご時世中国製品も気を遣ってラベルの書き方も工夫してはるわ。たいへんやな…。と勝手な心配をしながら、気に入った『チャイナボーン』を買って帰った。
そして後日、たまにはご時世ネタのブログでもと思い、『チャイナボーン』について小一時間かけて仕上げ、スペルチェックをした瞬間血の気が引いた。
チャイナ【China】
①中国。中国人。中国風。「―ドレス」
②(china)陶磁器。「ボーン―」
買って帰ったお皿は確かに真っ白な陶磁器風。
中国製かもしれないけれど、あのラベルは『(100円やけど)陶磁器でっせ』というアピールがしたかっただけなのだ。
言葉の根っこなんて掘り返している間に、脳内の搭載辞書を改めないといけない…
「小テストに出したやろうがぃ!!」と先生の甲高い怒鳴り声が聞こえてきそうな気がした。
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